乳腺外科のご案内

ご挨拶

乳がんという病気について

現在乳がんは、女性がかかるがんの中で最も多いものとなり、最近のデータでは女性の9人にひとりが生涯のうちに乳がんに罹患すると言われています。メディアでも多くの有名人の方が乳がんに罹患され、彼女達の病気と闘う姿勢がよく取り上げられ、共感を呼んでいます。しかし皆さんは乳がんという病気の名前は知っていても、病気そのものの事や具体的な治療方法についてはあまりご存じないのではないでしょうか。実は乳がんは、女性で最も頻度が多いがんではありますが、一方で最も治る可能性の高いがんでもあります。これは全身病と言われる乳がんの、全身に対する薬物療法が、近年めざましく発達してきたからです。また、他の種類のがんとは異なり、同じ「乳がん」という名前でも、非常に多くの種類・性質があるがんでもあります。その中にはもちろん全力で闘わなければならない非常に危険なものもありますし、一方で命に関わらないようなおとなしいがんもあります。患者様によって、病気の危険性や治療法が全く異なるため、患者様ごとのいわゆるオーダーメイドの治療法が行われている病気、それが乳がんです。

当科での治療について

私は10年以上乳腺疾患の治療に携わっておりますが、もともとは大学病院で多くの患者様の乳癌診療にあたっておりました。その経験を活かし、ここ小田原の街では、より患者様の要望に沿った、時代に応じた乳癌診療を行うことを目指しております。例えば、乳がんの中で大きな役割をしめる化学療法（いわゆる抗がん剤）は以前に比べ副作用が少なくなったとは言え、やはりある程度は体力を低下させ、通院だけでも患者様にとっては苦痛になることがあります。しかしそういった治療を、遠方ではなく小田原駅から徒歩10分の場所で行えることは、患者様にとって大きなメリットになると考えております。もちろん化学療法だけでなく、健診から初期診断、手術、分子標的薬、緩和ケアに至るまで、乳がん診療に関わるほぼ全ての事は当院で行うことができます。「乳房にしこりを感じる」「乳房が痛む」あるいは「乳癌の治療を既に受けているがもっと自宅の近くで治療を行いたい」といった事でも構いません。乳腺の事でなにかご相談がございましたら、お気軽に当科までご相談いただければ幸いです。

医療スタッフへの教育

医療というものは医師だけでは成り立ちません。薬剤師さん、看護師さん、技師さん、医療事務員さんその他大勢の職員の方々全員の協力のもとでようやく成り立つものと私は考えています。そのため、医療の質を上げる為には、医療スタッフへの教育が不可欠と考えております。当科では毎週の化学療法室カンファレンスをはじめ、技師さん達への超音波講習会、薬剤師さんや看護師さん達への勉強会、地域での講演会、ひいては敷設の看護学校での授業などを通じて、医療スタッフのレベル向上を図っております。そのため、各場面で医療スタッフの見学などをお願いすることがあるかもしれませんが、そういった意図があることをご了承いただければと存じます。

当科外来予約について

大変有難いことに、毎日多くの患者様が当科へ受診しに御来院くださっております。一方で患者様が多くなりすぎると、待ち時間が長くなったり、一人の患者様の診察時間がどうしても限られたりしてしまいます。私は、受容能力以上の患者様を無理矢理診療する事で診療の質を落とす事はしたくないと考えております。そのため、緊急性が無いと判断される新規患者様は、直接当院へ御来院いただいた場合でも、別日の予約枠に、連絡をいただいた順番でご案内させていただくことがございます。これも診療の質を担保するためとご理解いただけると幸いです。また、患者様の貴重なお時間を費やさないためにも、直接ご来院される前に、一度当院へお電話をいただく事をお勧めいたします。

なお、手術などの関係で不定期に外来が休診になることもございますので、ご了承ください。

乳腺外科 医師紹介

乳腺外科 外来担当表